紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク | 紀伊・環境保全&持続性研究所 連絡先:kiikankyo@zc.ztv.ne.jp |
ホーム | メールマガジン | リンク集 | サイトマップ | 更新情報 | 研究所 |
![]() 写真1 (ここをクリック) |
施設園芸栽培において問題となるコナジラミ類には、オンシツコナジラミ、イチゴコナジラミ、シルバーリーフコナジラミ、タバココナジラミ・バイオタイプQがいます。シルバーリーフコナジラミの幼虫がトマトの葉に100匹/葉以上寄生すると、着色異常果(写真1)が生じますが、オンシツコナジラミでは生じず、タバココナジラミ・バイオタイプQの幼虫が高密度でトマトに寄生すれば、着色異常果が生じることがあります。 |
![]() 写真2 (ここをクリック) |
3種の形態的特徴について、若干の解説をしてみます。 この3種は、4齢(終齢)幼虫後半(蛹とも言います)の発育段階の形態を観察すると区別がつきます。オンシツコナジラミの4齢幼虫(写真2)の形態的特徴は、外形はコロッケ形で白く、背面(上面)には比較的長い突起物が出ています。周縁部には短い突起物が密に生えています。イチゴコナジラミの場合は、4齢幼虫後半の外形はオンシツコナジラミに類似していて白色ですが、側面には短い突起が密生していますが、背面に突起がないのが特徴です。 |
![]() 写真3 (ここをクリック) |
シルバーリーフコナジラミは、4齢幼虫後半になると、黄色くなって盛り上がり、オンシツコナジラミのような突起物は見られないので(写真3)、上記2種とは明確に区別ができます。 |
![]() 写真4
(ここをクリック) |
イチゴコナジラミの4齢幼虫は、コロッケ形で背面には突起はなく、周縁部に長い突起が多数あり、乳白色をしています。写真4では、照明の加減で全体的に黄色くなっています。 |
![]() 写真5 (ここをクリック) |
オンシツコナジラミとシルバーリーフコナジラミは、成虫でも見慣れれば区別がつきます。オンシツコナジラミの成虫は、上から見ると全体的に三角形に見えます(写真4)。 |
![]() 写真6 (ここをクリック) |
しかし、シルバーリーフコナジラミはやや細く見えます(写真5)。コナジラミ類の幼虫や成虫の形態観察には、虫めがねか、実体顕微鏡を使うのがよいでしょう。 |
![]() 写真7 (ここをクリック) |
最近問題となっているタバココナジラミ・バイオタイプQとシルバーリーフコナジラミは、形態では区別できません。農薬のアドマイアーやモスピラン、防除用の黄色テープに塗布されたのラノーの効果が非常に悪い場合には、タバココナジラミ・バイオタイプQと疑うといいでしょう。 シルバーリーフコナジラミ成虫を西洋カボチャの稚苗に摂取すると、その幼虫の寄生により葉に白化症(写真6)を起こしますが、タバココナジラミ・バイオタイプQの場合には明確な白化症を起こしにくいので、両者を判別できます。さらに詳しくは、各県の病害虫防除所か農業試験場に依頼してDNAによる診断をしてもらうとよいでしょう。 |